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さて、この曲はなんて言ってるのだろう

英語は苦手ですが、洋楽を和訳しながらあれこれ意味を調べたり考えたりするのは好きなので、その勢いで書いています。意訳と偏見だらけですが、ご容赦ください。

Gone, Gone, Gone / Phillip Phillips

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Lyrics&訳

When life leaves you high and dry

I'll be at your door tonight

If you need help, if you need help.

I'll shut down the city lights,

I'll lie, cheat, I'll beg and bribe

To make you well, to make you well.

 

もし、運命が君を無情に見放したとしても

僕は君のドアの前についてるよ。今夜にでもね

君さえよければ。必要ならね

街の光だって遮ってやるし

卑怯な嘘も、心を売り渡すことも厭わないよ

君の為なら、それで良くなるならね

 

When enemies are at your door

I'll carry you away from war

If you need help, if you need help.

Your hope dangling by a string

I'll share in your suffering

To make you well, to make you well.

 

もし、君を傷つける奴が立ちはだかっても

僕は君をどこかへ連れて逃がすよ。その諍いから

君が危なくなったら。そんな時が来たら

君が力づくで望みを絶たれそうになったら

僕もその力に抗うよ

君が幸せになるなら、その為ならば

 

Give me reasons to believe

That you would do the same for me.

 

信じさせてくれないかな

君も僕と同じ気持ちだって

 

And I would do it for you, for you.

Baby, I'm not moving on

I'll love you long after you're gone.

For you, for you.

You will never sleep alone.

I'll love you long after you're gone

And long after you're gone, gone, gone.

 

ああ、僕はそんな気持ちだ。君の為なら

どこにも行かない

君が去っても、愛し続ける

君の為なら。そう、君の為なら。

離れたとしても、心はそばに

君がいなくなっても、思い続ける

この先ずっと、いつまでも。いつまでも。

 

When you fall like a statue

I'm goin' be there to catch you

Put you on your feet, you on your feet.

And if your well is empty

Not a thing will prevent me.

Tell me what you need, what do you need?

 

君が置物みたいに転げ落ちたとしても

僕が駆けつけてちゃんと受け止めるよ

君が立っていられるように。しっかりとね。

そしてもし君に虚しさが押し寄せたら

何も遠慮することはないよ

何が必要か教えて欲しい。何がいいかな

 

I surrender honestly.

You've always done the same for me.

 

心の声に従いたいんだ

君だって、同じようにしてくれてたから

 

So I would do it for you, for you.

Baby, I'm not moving on,

I'll love you long after you're gone.

For you, for you.

You will never sleep alone.

I'll love you long after you're gone

And long after you're gone, gone, gone.

 

そう、僕はそんな覚悟だった。君の為なら

なあ、ずっとここにいるから

君がいた場所で、それでも変わらず

君を想う。遙かな君を

君に独りの夜はやってこない

ここから君に、祈り続けるから

この先ずっと、いつまでも。いつまでも。

 

You're my back bone.

You're my cornerstone.

You're my crutch when my legs stop moving.

You're my head start.

You're my rugged heart.

You're the pulse that I've always needed.

Like a drum, baby, don't stop beating.

Like a drum, baby, don't stop beating.

Like a drum, baby, don't stop beating.

Like a drum my heart never stops beating...

 

君は僕の支え

僕のいしずえ

足が止まりそうなら、背中を押して

幸運をくれる

勇気をくれる

僕の心に刺激をくれる

止まることないドラムのように

響き続けるドラムのように

弾み続けるドラムのように

終わることないドラムのように、僕の心に

 

For you, for you.

Baby, I'm not moving on.

I'll love you long after you're gone.

For you, for you.

You will never sleep alone.

I'll love you long after you're gone.

For you, for you.

Baby, I'm not moving on,

I'll love you long after you're gone.

For you, for you.

You will never sleep alone.

I'll love you long, long after you're gone.

 

君の為なら、その為ならば

僕はここから離れないよ

君がいない場所で、心は変わらず

君を想うよ、ここからずっと

君の心の支えになれたら

君に祈るよ

君がいたここから、心を込めて

君に届け、はるか遠くの

君に勇気を与えられたら

愛する君に。この先ずっと。

 

Like a drum, baby, don't stop beating.

Like a drum, baby, don't stop beating.

Like a drum, baby, don't stop beating.

Like a drum my heart never stops beating for you.

 

止まることないドラムのような

響き続けるドラムのような

弾み続けるドラムのような

終わることないドラムのような、僕の心よ。君に届け

 

And long after you're gone, gone, gone.

I'll love you long after you're gone, gone, gone.

 

君がいなくなっても

愛し続ける。君がいなくなっても

 

この曲について

 人生の様々な場面において、自分の支えとなってくれた人との別れの曲でしょうか。別れと一口に言っても色々ありますが、この曲の場合はやむを得ない事情での別れを思わせます。転校、留学、転勤など、そういった類のものでしょうか。

 

 歌い手は、この人の為ならどのような手間も犠牲も、時には手を汚すことすらも厭わない、そんな想いに溢れています。何があっても絶対に見捨てないし、敵に襲われたら自分が盾になって逃がすと、何だかアクション映画の主人公みたいですね。 

 

 それ程に自分にとって大事な人ですが、その人はこの歌い手の元を去ることになるようです。そこで、この歌い手は相手に、遠く離れても心は傍にある、ずっと愛し続けると叫び続けます。言ってしまえば、ドラマや映画などで良く見られる1シーンですなのですが、その時の心境をこれでもかって程に詰め込んでいます。

 

 そして、2番ではなぜそれほどまでに想えるのかが端的に語られます。相手から、それだけの物を貰ったんですね。この曲において、この歌い手も相手もどのような人間かは語られませんが、恐らくかつて困ったときに助けて貰ったり、誰かから庇って貰ったり、落ち込んだときに励まして貰ったりしたのだと思われます。

 1番にて「君も僕と同じ気持ちであると思いたい」と言っているので、もしかしたら相手にとって、一つ一つの行動は何気ないものだったのかも知れませんが、それがこの歌い手にとっては無上に嬉しいことだったのでしょうね。

 

 そんなことを、途切れることなく続けてくれた、しかし今はもう去ってしまった相手に対して、自分もせめて途切れること無い想いを届けようとするのが、この曲ではないかなと思います。

 

 さて、この曲は、フィリップ・フィリップス(Phillip Phillips)によって、2013年にリリースされた曲で、アルバム「The World From The Side Of The Moon」に収録されています。日本ではあっちこっちでかかっているという曲では無いように思いますが、テレビ番組「ホムカミ ニッポン大好き外国人 世界の村に里帰り」のテーマ曲として流れていたようです。レコチョクでも簡単に手に入ります。

 


Phillip Phillips - Gone, Gone, Gone

 

 何というか、いい意味でベタというか、王道というか、そんな曲調のように思えるのは僕だけでしょうか。変にあれこれ飾られたり、エンタメ要素が盛り込まれてたりせず、単純に心にグッと熱いものが感じられて、前向きな気分になれる、そんな曲だと思います。僕は偶然Youtubeでこの曲を見かけたのですが、見てすぐダウンロード購入してしまいました。いやぁ、gleeでも歌って欲しかったなぁ、これ。

 

訳、言葉について

 冒頭にある「High and dry」は、これだけで「見捨てられた」という意味で使うことができる言葉だそうです。もともとは船の用語で、陸に高く乗り上げてしまい、海に戻らずそのまま放置され乾いてしまった舟の様子から「見捨てられた」とか「置き去りにされた」という意味として使われるようになったそうです。

 

 また、曲のタイトルでもある「Gone」ですが、Go(行く)の過去分詞であるこの言葉だけで「去ってしまった」状態を表す時に使用します。日本語において、例えば別れてしまった恋人をして「彼は行ってしまった」とか、亡くなってしまった方をして「彼女は逝ってしまった」のように、「いく」という言葉で人が去ってしまった状態を表現できますが、これと全く同じニュアンスで、英語でもGoneでこれらを表現します。こういった、殆ど日本語と同じ感覚で使用できる言葉を見つけると、国が違っても感性が似通っているんだなと思えてちょっと楽しいです。

Bad Day / Daniel Powter

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Lyrics&訳

Where is the moment when we needed the most?

You kick up the leaves, and the magic is lost

They tell me your blue sky's faded to gray

They tell me your passion's gone away

And I don't need no carrying on

 

あれだけ大切にしてた時間は何処に行ったんだろな

君が落ち葉を蹴って、魔法の時は終わってしまった

君の青い空はくすんでしまったようだね

君の熱い心はかすんでしまったのかもね

まあでも、そんな時だってあるんじゃないか

 

You stand in the line just to hit a new low

You're faking a smile with the coffee you go

You tell me your life's been way off line

You're falling to pieces every time

And I don't need no carrying on

 

君はどん底に立っているね

作り笑いとコーヒーで誤魔化しながら

君はこう言うよね。俺の人生どうしてこうなんだろうって

いつも大事なものがボロボロ零れていくんだって

まあでも、そんな思い詰めることも無いんじゃないか

 

'Cause you had a bad day

You're taking one down

You sing a sad song just to turn it around

You say you don't know

You tell me don't lie

You work at a smile and you go for a ride

You had a bad day

The camera don't lie

You're coming back down and you really don't mind

You had a bad day

You had a bad day

 

そんな日だってある

君は一つ諦めて

悲しい歌でふてくされてる

お前には分からないって君は言って

嘘をつくなって君は言って

無理やり笑って去っていくけど

そんな日だってある

あの頃の写真は嘘じゃないだろ

戻って来るんだろ。悩みなんか忘れて

そんな日だってあるよなって

それだけだったんだよなって

 

Well you need a blue sky holiday

The point is they laugh at what you say

And I don't need no carrying on

 

あの青空をまた取り戻そうぜ

何を言っても笑えたあの時を

そんなに頑張らなくていいからさ

 

You had a bad day

You're taking one down

You sing a sad song just to turn it around

You say you don't know

You tell me don't lie

You work at a smile and you go for a ride

You had a bad day

The camera don't lie

You're coming back down and you really don't mind

You had a bad day

 

悪い日だってある

君はまた一つ諦めて

悲しい歌で背中を向けて

なんで俺ばっかりって呟いて

慰めるなって怒鳴り散らして

泣きそうな顔で去って行くけど

悪い日ばかりじゃない

昔の写真を見返してみろよ

戻って来たくなるだろ。嫌なことも忘れてさ

いい日ばかりじゃないだけさ

 

Sometimes the system goes on the blink

And the whole thing it turns out wrong

You might not make it back and you know

That you could be well, oh, that strong

And I'm not wrong

 

たまに世の中ってやつは景色が変わって

全部嫌なものに映ることもあるよな

元には戻そうとしないだろうけど。分かってるんだろ

ちゃんと立ち直れるって。強いよ、君は

本気で言ってるんだ

 

So where is the passion when you need it the most?

Oh, you and I

You kick up the leaves and the magic is lost

 

こんな時だってのに、情熱は何処に行ったんだろうな

まあ、僕もだけれどさ

君は落ち葉を蹴って、魔法が解けて

 

'Cause you had a bad day

You're taking one down

You sing a sad song just to turn it around

You say you don't know

You tell me don't lie

You work at a smile and you go for a ride

You had a bad day

You see what you like

And how does it feel one more time?

You had a bad day

You had a bad day

 

悪い日もある

君は嫌になって

寂しげな歌で目を逸らすけど

分かってるよ

嘘じゃないよ

君は涙を隠して飛び出したけど

良い日も来る

また素晴らしい何かに出会えたら

今度はどんな気持ちが芽生えるんだろうな

明日は良い日さ

そんなもんさ

 

この曲について

 何か良くないことがあってグチグチクヨクヨしている相手に、ちょっと心が楽になる励ましを送る曲だと思います。ただ何というか、歌詞から読み取れる情景やメッセージは凄く温かみがあって良いのですが、これをいざ日本語で表現しようとすると急に難しくなる曲ですね。以前、Des'reeのLifeを訳した時もそうでしたが、言葉の前後関係の繋がりが薄いというか、唐突にカットが切り替わると言う印象で、言葉尻だけを訳していくとはてなマークがあちこち浮かぶんじゃないかなと思います。多分、あれこれ考えるより感性で乗り切る趣の曲なのではないかなと思います。

 

 1番では、少なくともこのYouと歌い手は、それなりの長い時間の付き合いのある二人という間柄が見てとれますね。しかし、昔過ごした楽しい時間に比べて、今のそれには陰りが見えているようです。Youの心境に何か変化があり、楽しかった魔法のような時が終わりを告げます。Youの心は冷めて色褪せてしまったようですが、ここで歌い手は無理にそれを昔に戻そうとしません。ひたすら愚痴を聴いても、ただ一言、無理する必要ないと相手に声をかけます。

 

 そして、ただBad dayだったんだと伝えます。この曲中、何があったのかと言う具体的なシーンは語られません。なので、Bad dayの解釈としては「日が悪かった」「間が悪かった」「ついてない日だった」等、色々な捉え方があると思いますし、恐らくどれでもいいのだと思います。ただ、悩む相手にこれらの言葉で「君が悪かったわけではない」とか、「うまくいかない日だってある」ということを伝え、自分を責めないようにしてあげたいのだと思われます。

 また、Dayが複数形でない為、本当にたった一日というニュアンスが暗黙的に示されている点や、それと同時に良い日だってあるということを、逆説的に伝えているのもポイントかなと思います。

 

 そしてまた、この曲はもう一つ見逃せない一面を持っていると思われます。曲の終わりに近づく辺りで「Oh you and I」という言葉が出てきますね。この言葉から、実はこの曲は自分自身にも言い聞かせているのではないかと思われます。相手を元気づけている最中、それらの言葉が段々自分にも実は当てはまっているように思えたのかも知れませんし、もしかしたら自分が落ち込んだとき、こんな風に励ましてもらえたらなという、ささやかな願望なのかもしれませんね。

 

 さて、この曲は2005年に、ダニエル・パウター(Daniel Powter)によって歌われた曲です。彼のファーストシングルにあたり、ヨーロッパで大ヒットしたようですね。国内でもそこかしこで流れており、特にサビのシンプルに弾む感じが印象的で耳に残り易いので、殆どの人はどこかで一度は聴いたことがあると思えるのではないかなと思います。

 僕も、曲は知っていたのですが、つい先日までタイトルは知らなかったというクチです。しかし、先日セブンイレブンでかかっていた時に「あれ、そう言えばこの曲名ってなんだっけ?」と思って調べていったうちに、歌詞がとても良いなと思えたので今回訳してみました。

 

 また、PVもちょっと心が和む作りになっていますね。同じような繰り返しの毎日の中でも、ちょっとしたハプニングと行動から、面白い出会いに繋がるという、先に説明した「Bad day」がもつ逆説的な意味となる「良い日だってある」という点に焦点を絞ったストーリーになっています。

 


Daniel Powter - Bad Day (Official Music Video)

 

訳、言葉について

 hit a new lowというフレーズがありますが、このnew lowだけで「最低の位置」という意味になるそうです。lowが行という意味ですが、確かに横書きにおいて新しい行が引かれるとき、同時にそこは最下部となりますね。これは面白いなと思いました。

 

 さて、この曲で一番の問題となる言葉が「I don't need no carrying on」です。この言葉を普通に訳そうとすると、

 

I don't need ・・・必要としない

No・・・~でない

Carrying on・・・頑張る、前に進む

 

となるので、「僕は前に進まないことを必要としない」→「僕は今のままではいけないと思う」といったニュアンスになります。実際、僕も最初はそう訳しました。

 

 ですが、ここは文法を無視した言葉らしく、全く意味は逆になるそうです。というのも、このNoはこの場合「何も」という意味で捉えられるそうで、結果として「僕は何も頑張る必要はない」という意味で捉えられる言葉だそうです。これはネイティブにしか分からないややこしい感覚だそうで、実際にこのフレーズで検索すると、国内外を問わずこのフレーズに関する質問が沢山見つかります。そして、その中でもネイティブと思われる回答者の方自身、「全くふざけてるよね」と言っていたりします(笑)

 

参考Q&Aサイト

https://forum.wordreference.com/threads/i-dont-need-no-carrying-on.347137/

 

 まあ、日本語でも「嘘を吐くな」という意味で「嘘を吐け」と言ったりするので、言葉って最終的には理屈じゃないんでしょうね。

S.O.S / ABBA

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Lyrics&訳

Where are those happy days, they seem so hard to find

I tried to reach for you, but you have closed your mind

Whatever happened to our love?

I wish I understood

It used to be so nice, it used to be so good

 

あの幸せは今どこにいったのかしら。何だか探しても見つからなそうよ

あなたに手を伸ばしてもみたけど、あなたの心は閉ざされたまま

一体私たちの愛に何が起こったの?

もしそれを知ることができたならば

あの時はとても楽しかった。そう、素敵な日々だった。

 

So when you're near me, darling can't you hear me

S.O.S

The love you gave me, nothing else can save me

S.O.S

When you're gone

How can I even try to go on?

When you're gone

Though I try how can I carry on?

 

ねえ、こんなに私の近くにいても、私の心の声は聞こえないのね

こんなことになってしまうなんて

あなたがくれた愛、それだけが私を安心させてくれるのに

こんな瀬戸際に立たされてしまうなんて

あなたが行ってしまったら

この先どう生きて行けばいいの?

あなたが離れてしまったら

また前に進もうだなんて思えるの?

 

You seem so far away though you are standing near

You made me feel alive, but something died I fear

I really tried to make it out

I wish I understood

What happened to our love, it used to be so good

 

あなたは近くに居るのに、なんだかとても遠くに思えるわ

あなたは生きる喜びをくれたけど、同時に生きる絶望と怖さもくれたのね

自分にやれることはもう、全てやったと思うけど

何とかして知りたかったわ

私たちに何が起こったのか。あの素晴らしかった日々はもう・・・

 

So when you're near me, darling can't you hear me

S.O.S

The love you gave me, nothing else can save me

S.O.S

When you're gone

How can I even try to go on?

When you're gone

Though I try how can I carry on?

 

ねえ、あなたは傍に居てくれるけど、私の胸の内には気付かないのね

もう駄目なのかしら

あなたは愛してくれた。それだけが心の救いなのだけど

もう終わりなのかしら

あなたが去ってしまったら

この先生きていくことができるのかしら

あなたがいなくなってしまったら

全て忘れてやり直すことができるのかしら

 

この曲について

 愛し合っていた二人が、いつしか時が経つにつれてその思いが薄れ、心が離れてしまっている状態を歌った歌なのではないかなと思います。この主人公は、少なくともまだ相手を愛しているようですが、その想いが通じている手ごたえが無く、そこに歯がゆさと焦りを感じているようですね。

 

 1番では「かつての幸せな日々をまた見つけるのは難しそう」と言っているので、まだ主人公はなんとかこの様子を打開しようとしているのではないかと思われます。そして、可能性は低くても、自分たちの間に何が起こったかさえ解かれば、まだ道はあると思っているのではないかなと思います。

 

 しかし、2番に来るとあきらめの表情が見えますね。かつては、相手から貰ったものは人生を素晴らしく思えるようにしてくれる、そんなものばかりだったのが、今は不安や悲しみと言ったものに変わってしまっているようです。そして、自分に出来る限りの手は尽くしたけれど、状況が変わらなかった。そういったことを嘆いているシーンに思えます。

 

 今、二人の関係が終わってしまおうとしている危機的状況、この状況がなんとか打開されるような救いを求める心情、もう元には戻ることができないのだろうという諦め。そして何より、相手の愛無しではこの先もう生きていくことができないという絶望感。そういったもの達を、救難信号を発する命の危険にさらされた人々の心境に重ねて例えたのが、このS.O.Sと言う曲なのだろうなと思います。

 

 さて、この曲は1975年にABBAによってリリースされた曲です。個人的にはABBAというと、Dancing Queen、Money、Gimme! Gimme! Gimme!、Mamma Miaのイメージが強く、この辺りから何か訳してみようかなと思っていたのですが、先日S.O.Sをたまたま耳にして「ああ、そういえばこんな曲もあったなぁ」と思い直し、今回訳してみました。この曲、サビよりもAメロの方がやけに印象深く、S.O.Sと聴くと先にそちらを思い出すのですが、僕だけでしょうか。(実際Aメロの方がS.O.S信号を出している雰囲気が出てると思うのですが・・・)

 


Abba - SOS

 

 そして、ABBAと言えば何といっても映画「マンマ・ミーア!」(Mamma Mia!)ですよね。この曲も勿論劇中に登場し、ソフィの父親候補その1であるサムと、ドナのデュオで歌われています。かつて一時(本当に一瞬(笑))愛し合った二人ですが、長い時を経て再開した今となっては、同じような感情を持つことなど到底できません。劇中ではサムの方はまだやり直せるならやり直したいと思っているものの、既に独りでソフィを育てあげ、ここまで生きてきたドナにその思いは簡単には届きません。まさにこのシチュエーションは、S.O.Sに出てくる二人ですね。

 


Pierce Brosnan and Meryl Streep sing "S.O.S" in "Mamma Mia!"

 

訳、言葉について

 2番に「Make it out」という言葉が出てきます。このMakeとOutの組み合わせの言葉は多岐に渡りすぎて非常に困ってしまううえに、非常に頻繁に出てくる言葉なのですが、いまだにどう訳したら良いものか正直良く分かっていません。「(主に書類を)完成させる」「理解する」「露わにする」「時間を確保する」「いちゃつく」etc、etc... ただ、何となく根底のニュアンスとしては、物事を良い方向に押し進めるような意味合いを持っているのではないかなと思えます。なので、日本で言うところの「良きに計らう」だとか「宜しくやる」を一度念頭に置くと、何となく前後の文が繋がり易いような気がします。ということで、今回はそれにさらにreallyがついているので、最善の手は尽くしたという感じの捉え方をしてみました。

Winter Wonderland / Richard Himber 他多数

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Lyrics&訳

Sleigh bells ring, are you listening?

In the lane, snow is glistening

A beautiful sight,

We're happy tonight

Walking in a winter wonderland

 

ソリの鈴の音が聴こえるかい?

道は雪で煌めいているよ

素晴らしい景色に

これだけ幸せな今宵

さあ、夢の銀世界を歩こうじゃないか

 

Gone away, is the blue bird

Here to stay, is the new bird

He sings a love song,

As we go along

Walking in a winter wonderland

 

青い鳥は行ってしまったわ

でもほら、新しい鳥がやってきた

愛の歌をさえずってくれる

私たちがずっと一緒にねって

さあ、夢の銀世界を歩きましょう

 

In the meadow we can build a snowman

And pretend that he is Parson Brown

He'll say are you married, we'll say no man

But you can do the job when you're in town

 

これだけ積もったら雪だるまが作れるね

そうしたら彼はさしずめナントカ牧師ってところかな

そうね。彼に御夫婦ですかって訊かれたら「違うわ」って言うけど

「でも今度お仕事お願いね。あなたが街に居るうちに」なんてね

 

Later on, we'll conspire

As we dream by the fire

To face unafraid

The plans that we've made

Walking in a winter wonderland

 

その後で、一緒に話しましょう

暖炉の傍で、二人のこれからを

もう恐れることはないね

僕らの望んだ時が来たことに

さあ、夢の銀世界を抜けて帰ろう

 

Sleigh bells ringing, are you listening?

In the lane, snow is glistening

A beautiful sight, we're happy tonight

Walking in a winter wonderland

 

ソリの鈴の音が聴こえてる?

道は雪で煌めいているわ

素晴らしい眺め

幸せな夜

さあ、夢の銀世界を歩きましょう

 

Gone away, is the blue bird

Here to stay, is the new bird

He sings a love a song

As we go along

Walking in a winter wonderland

 

青い鳥は去ってしまったね

でもほら、新しい鳥ならここにいる

愛の調べをさえずって

僕たちを祝福しているよ

さあ、夢の銀世界を歩いて帰ろう

 

In the meadow we can build a snowman

And pretend that he's a circus clown

We'll have lots of fun with Mr. Snowman

Until the other kiddies knock him down

 

雪だるまの為にあるような雪原よ

そうね、ピエロみたいに作ってみようかしら

いいね。彼と一緒なら楽しいだろうね

子供が壊しちゃっても、また二人きりになれるしね

 

When it snows, ain't it thrilling

Though your nose, gets a chilling

We'll frolic and play

The Eskimo way

Walking in a winter wonderland

Walking in a winter wonderland

 

雪が降っても、ちっとも怖くないよ

あなたの鼻が凍えちゃってもね

はしゃいじゃおうよ

なんだかエスキモーみたいね

夢の銀世界の歩きながら

夢の銀世界を二人並んで

 

この曲について

 バカップルの歌ですね。そうとしか形容のしようがありません。「見てごらん、雪だよハニー」「ほんと、何て素敵なのダーリン」とアハハウフフしている、そんな曲です。

 

 もう何というか、当時の時代背景は良く解かりませんが、少なくとも今聴く限りではのーてんきなラブソングにしか聞こえません(笑)。歌っているのは一面の銀世界ですが、それが丸ごと二人だけの世界になっていて、もはや周りなんか見えちゃいません。それぐらい、盛り上がっている二人が描かれています。なんせ、その辺にいる鳥たちをして、自分達を祝福するラブソングを歌ってくれていると思っている訳ですから、ホントおめでたい二人ですね。

 

 まさかいい歳した大人が「よし、雪だるまを作ろう」も無いもんですが、しかもその雪だるまを牧師さんに見立てて、「あなたが溶けて無くならないうちに、私たち結ばれちゃうかもでーす♪」と来たもんで、まあ、死んでしまえばいいんじゃないかと思います。子供達に雪だるまを蹴り倒されると同時に、この人たちも一度蹴り飛ばされた方がいいんじゃないですかね。

 

 しかし流石というかなんというか、昔ながらの曲だけあって、やっぱり韻は拘って踏まれているように思えますね。曲から見えるシチュエーションは、現在においてはちょっとアレな気もしますが、古き良き時代を思い起こさせる曲では無いかなと思います。 

 

 さて、この曲は1934年に作られた曲のようです。ウィンターソングの定番中の定番で、歌ったアーティストも数知れません。日本でも毎年クリスマスの時期になると何かしら何処かしらで流れているので、多分聴いたことが無い人を探す方が難しいのではないかなと思います。ただ、実際は内容の通り、クリスマスに限らない冬の歌ですね。

 

 一応、最初のレコーディングはリチャード・ヒンバーとホテル・リッツカートン・オーケストラ(Richard Himber and Hotel Ritz-Carlton Orchestra)という方によるものらしいです。YouTubeにもありました。

 


Richard Himber and Hotel Ritz-Carlton Orchestra - Winter Wonderland

 

 また、以前Little Dummer Boyの時にPentatonixを紹介しましたが、彼らも歌っていますので、こちらもご紹介(Don't Worry Be Happyとのマッシュアップです)

 


[Official Video] Winter Wonderland/Don’t Worry Be Happy - Pentatonix (ft Tori Kelly)

 

 しかしそれにしても・・・これから、毎年この曲を聴く度に、ハイテンションで手の付けられないカップルのイメージがちらつきそうです・・・

 

訳、言葉について

 雪だるまの見立てのところで、Parson Brownという名前が出てきます。直訳すると、ブラウン牧師ですが、このブラウンというのは単なる名前ではなく、日本で言うところの名無しの権兵衛の「権兵衛」に近いニュアンスをもった言葉らしいです。つまり、「名前は解からないけど、とにかく牧師さん」という時に使われていたそうです。(今となっては大分時代遅れの言葉らしいですが)

 

 また、同じく雪だるまのシーンのclownは、crown(冠)と混同しがちですが、こちらはピエロの事です。英語にもpierrotという単語は有りますが、日本で言うところのピエロを指す場合、このclownが使われることが一般的のようです。

 

 雪だるまのシーンの解説ばかり続きますが、雪だるまが壊される描写Until the other kiddies knock him downは、歌詞によってはUntil the other kiddies knock them downとしている場合もあります。つまり、雪だるまが複数あるということになりますね。しかし、ただでさえいい歳こいた大人二人だけで雪だるまを作るというのもワンダー過ぎるのに、これまた飽きもせずに何個も雪だるまを作っているとなると、最早ホラーです。せめて一つで有って欲しいという願いを込めて、himの方でご紹介しました。